2011年度

■9月 第2回酸化療法セミナーを開催しました。

■プログラムおよび講師:

    1. 『長期酸化療法の生理的効果について』 渡井 健男 先生(日本酸化療法医学会 会長)
    2. 『活性酸素と生命の生存戦略: 生物進化から生老病死を診る』 井上 正康 先生(宮城大学副学長・大阪市大医学部脳科学講座教授)
    3. 『高濃度ビタミンC点滴療法』 Dr.Juergen Winkler (President ,Alternative Cancer Treatment Center of South California )
    4. 『H2O2点滴療法, 血液バイオフォトセラピー療法』  Dr.Juergen Winkler
    5. 『耳鼻科領域のオゾン療法〜オゾン水を用いた治療法〜』 最上 朗 先生(最上耳鼻咽喉科医院 院長)
    6. 『大量自家血オゾン療法におけるFRAS4とサーモグラフィの検討』 大田 和弘 先生(おおた内科消化器科クリニック 院長)
    7. 『英国に於ける歯科領域のオゾン療法レポート』 川渕 泰政 先生(川渕歯科クリニック 院長)
    8. 『酸化療法によるがん治療』 渡井 健男 先生
  1. 『日本酸化療法医学会の今後の活動方針』 渡井 健男 先生

(開催時のご案内はこちら
会員の先生からの発表だけではなく、活性酸素の国際的なパイオニアとして著名な井上先生、米国で酸化療法を施術されている Winkler 先生からもご発表いただきました。

井上先生ご講演

Winkler先生ご講演

最上先生ご講演

大田先生ご講演

渡井先生ご講演

■8月 ドイツにてHOTの実地見学、エキスパートドクターとのディスカッション

8月15日にミュンヘン近郊にあるウルム市で、プライベートクリニックを開業しているDr.Haldor Holesch氏を訪問しました。

完全な自由診療の、会員制のクリニックです。

ウルム市は町並みの間を小川が流れており、閑静で美しい住宅街の一角に立地している写真の3階立ての一軒家が、クリニックです。

クリニック内の治療室は、写真の通り非常に清潔感があり、無駄な物が一切ありません。

写真の患者さんは、治療前は慢性心不全にてNYHA3度で、息切れで階段も上れない状態でしたが、HOTの治療により(内服薬は無し!)NYHA1度まで回復し、殆ど息切れもなく自立歩行しており現在は月に1度の治療で、現状を維持しているとのことでした。

Dr.Haldor Holesch 氏は、UVI, UVB, HOT治療を、大学病院に在籍中から、現在まで30年以上実践している超ベテランのDrですが、私と同世代です。年間1000回以上のHOT,UVBを行っています。

現在は、がんの化学療法を行っている患者さんの副作用の軽減と、酸素化効果による、がん細胞の化学療法感受性の増大効果の目的でHOTを使用されている症例が多いとの事でした。

ドイツでは、5000人以上のDrがUVBを行っているそうです。

Dr.Holeschは、UVBは、Ozone Therapyよりも有効だとおっしゃっていました。酸化療法全般についてのディスカッションとインタビューの時間をいただきました。

当研究会の研究方針にもご賛同いただき、今後もいろいろアドバイスしていただける事になりました。

■4月 ACAM 酸化療法ワークショップに参加しました

4月6日~10日に、米国のミネアポリスにてACAMのOxidative TherapyのWorkshopに参加しました。

今回はACAM,AAEM,AHMA,ICIM の4学会共同開催でiMosaicという名称での特別開催でした。

iMosaicの会場ミネアポリスコンベンションセンターです。

Oxidative Medicine Workshop の内容は、

1. 生物学的酸化と還元の基礎  Dr.Thomas Hesselink

2. 過酸化水素療法         Dr.Thomas Hesselink

3. 高濃度ビタミンC点滴療法    Dr.Jeanne Drisko

4. 酸化療法について        Dr.Garry Gordon

5. UBI (紫外線血液照射療法)   Dr.Robert Rowen

6. オゾン療法             Dr.Robert Rowen

7. ディスカッション

Dr.Robert Rowen

Dr.Garry Gordon

Dr.Jeanne Drisko

講義は、酸化療法の基礎から各論まで、かなり詳細に講義があり、大変勉強になりました。

酸化刺激が免疫機能を活性化するメカニズムから活性酸素の体内の動態についての説明、様々な酸化療法の具体的なプロトコールの解説、酸化療法の比較検討があり非常に有意義なワークショップでした。

Dr.Drisko 氏は、高濃度ビタミンC点滴療法とは、Pro-Oxidative therapy と説明され、特に過酸化水素との関係について詳しく説明されていました。

ぜひ取り入れてみたい新しい内容もあり、臨床にて実地検討の上、次回の当会セミナーにて紹介の予定です。

酸化療法のエキスパートらによるディスカッション

■3月 韓国釜山大学にて酸化療法、オゾン療法について講義しました

 

韓国釜山大学医学部付属病院の皮膚科学講座に招かれて、韓国初の Bio-Oxidative Therapy のセミナーを行いました。Bio-Oxidative Therapy の基礎と臨床、特に大量自家血オゾン療法の作用機序と、アトピー性皮膚炎の治療症例の呈示、PRPとオゾン療法による再生医療としての皮膚科領域における応用、そして治療の実技を行いました。
訪韓前は、オゾン発生器の輸送や酸素ボンベの減圧弁の適合など、いろいろ問題はありましたが、無事にセミナーを終えることができました。

講義、実演後、金教授を始めとして、医局員より活発で高度な質疑応答が多数あり、オゾン療法への関心の高さを実感しました。


【釜山大学の皮膚科学講座の金教授】

金教授からは、「今後は、当医局はJSOMと連携して、オゾン療法の臨床への応用を積極的に行い、データを収集したい」との要望があり、当研究会としても全面的にバックアップするとの意向を伝えました。

今回の訪韓が日韓友好の一助となり、今後韓国でのオゾン療法を始めとする酸化療法が広まるきっかけになることを切に願っています。


1月 米国にて酸化療法ハンズオンセミナーを受講

1月15日(土曜日)に、カリフォルニア州のSanta RosaにあるDr.Robert
Rowen のOffice で行われていたハンズオンセミナーに参加しました。
セミナーは、アメリカ国内や、英国などから私を含めて10人の医師が集まり、
午前9時から午後6時過ぎまで、ほとんど休憩なしで行われました。

Dr.Robert Jey Rowenです。日本にもOxidative therapy の研究会があることに、大変感激していらっしゃいました。
当会の顧問となる事も快諾され、是非、東京でハンズオンセミナーを開催したいとおっしゃっていました。

Dr.Rowenが、通常治療に使用しているオゾン発生器は、やはりドイツ製でZotzmann社製でした。
Hyperbaric の血液クレンジングが可能です。

カナダ製のオゾン発生器も使用されていましたが、
主にオゾン水とオゾンオイルの生成のみに使用されているようでした。

血液クレンジング療法では、1回200-400mlもの血液をオゾン化します。 オゾン濃度も70μg/mlを超えています。
ドイツで行われている用量とは、かなり異なっているようです。
下の写真は、点滴で行うUVI(血液バイオフォトセラピー)の様子です。約200mlの血液を脱血して、
再輸血する時に、紫外線A,C波両方を照射します。
(GHL-3000 という機種です。Ultraviolet pure 社の製品です。)
UVI(血液バイオフォトセラピー)には、点滴法とシリンジ法がありますが、点滴法ではヘパリン点滴を併用するため、やや煩雑になります。シリンジ法は簡便ですが、施術者が付きっきりになります。
セミナーでは両方の方法が紹介されました。
ただ、残念なことに米国製でFDAが医療機器として認定しているUVI(血液バイオフォトセラピー)の器械は1つもありません。UVI(血液バイオフォトセラピー)の器械はすべて、水を浄化する機器として扱われています。
医師は自己責任において、患者さんから同意書を受け取り施術することになります。医療機器として認定されているドイツとは、かなり事情が異なります。
FDAは、文面で、UBIの臨床効果は認めつつも、代替療法全般に関しては認めない方向性にあるようです。


変形性膝関節症に対するオゾンガスの関節注射の様子です。セミナーでは、7名ほどの患者に対し、
様々な部位へのオゾンガスによる治療が実際に施術されました。オゾン濃度は10-20μg/mlで、10-20mlの注入が行われました。



今回のOxidative therapy(酸化療法セミナー)の修了書です。

最新の酸化療法の情報も、いろいろ得られ、大変有意義なセミナーでした。
是非、当研究会としても招聘したいExpertの先生の一人だと思います。